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青天の霹靂 [日々のこと]

さて。。。
どこから話せばいいものか

私には、娘が一人いる

家は、決して裕福な家庭ではない
だんな様のお店は、いつも自転車操業
生活は苦しかったけれど
それでもいいと思うようにしていた

それは。。。
41歳の時、だんな様が胃癌になってしまったから

幸い、手術が成功して
今も元気にしてくれている
あれから随分経ったけれど
あの日から。。。
ただ、生きていてくれるだけで
他の贅沢は望まないって
心に決めたんだ

でも、娘の夢は
叶えてあげたかった
一人娘で、頼る兄弟もいない
私たち夫婦がいなくなっても
困らない様に。。。
ずっと金策ばかりしてきた私は
その想いが人より少し
強かったのかもしれない

だから、中学生のころ
娘が看護師になりたいと言ったとき
私は嬉しかった
看護師さんは大変な仕事だ
けれど。。。
ずっと医療関係の仕事をしている
私にしてみれば
安定した就職にも困らない
やりがいのある仕事に思えていたから

高校生の時もその夢を持ち続けていた娘は
卒業後。。。
学校推薦をもらって看護学校へ行った
充分な学費も用意してあげられなかったから
奨学金をもらうことにした
近くの病院に卒業後。。。
3年間、看護師として働けば
返済が免除になるタイプの奨学金だった

今年、娘は成人式を迎えた
20歳。。。
そして、学校の方も無事3年生に進級でき
私は、本当に。。。本当に。。。
ほっとしたんだ

結婚後、いつもいつも
お金の苦労ばかりしてきた
でもなんとか
娘だけは無事に育てたって
そんなふうに思って

実習、実習の毎日
娘は大変そうだったけれど
これを乗り越えれば
きっと、光に溢れた未来が
娘の前には広がるはずだった
そう思っていた

ほんの。。。
ほんの2か月前までは

5月の連休が終わってすぐの頃
その娘が。。。
彼氏を連れて家へ帰ってきた

話があるのだという。。。

嫌な予感がした
嫌な予感というのは
残念ながら、いつも大抵
当たってしまう

宝くじはいつまでたっても
当たらないのにね

案の定。。。
子供が出来たのだと言う
産むことに決めたのだと言う
彼氏は痩せ気味の人当たりのいい男の子
22歳。。。
工場で、派遣社員をしているらしい

奨学金は、看護師になれなければ
一括返済をしなくてはならない
返済免除になるはずだったお金も
2人で何とかしてゆくつもりだと言う

何度も何度も
よく考えなさいと諭したが
娘が看護学校で得たものは
看護師資格ではなくて
命は何より優先されるべきだという
考え方だけだった

それもまた。。。真理

確かに大切なことだ
けれど、娘たちに経済力はない
しかも、出産となると
娘はしばらく働けない

大丈夫なの?
と私が言うと
大丈夫です。
とシレっと答える彼氏

そこには、誠実さは感じられるが
現実味はなかった
不安だった

しかたなく。。。
本当にしかたなく。。。
こんな人生もアリなのかもしれない
そう思うことにした
何より、娘が一番望んでいることなのだ

気持ちを切り替えなくては。。。

必死だった
今の状況での最善策を模索した

一年。。。
休学しても、学校を続けられないかと

その夢も、儚く散った
なんと。。。娘は双子をみごもっていたのだ

子供を一人育てるだけでも
大変なのに
奨学金の借金を負って
さらに双子を育ててゆく?

学校はもう、あきらめるほかはないだろう

それより。。。
娘は双子を育てるってことの意味を
本当にわかっているのだろうか?
私には、無謀なことのように思えた

だから。。。だから。。。
言いたくないことをたくさん言った
たくさんたくさん、言ってしまった

いろんな言葉を探して
精一杯、説得しようとした
けれど。。。
娘は揺るがない

私が娘を守ろうとするのと同じくらい
強い気持ちで
娘もその小さな二つの命を
守ろうとしているのだ

勝てるわけない。。。
何よりその命は
私にとっても、大切な孫たちなのだ

いろいろ、クリアしなければならない問題を
まだ、娘たちは抱えている
お金のことはもちろんだけれど
双子というハイリスクの出産を
受け入れてくれる病院は少なく
何件もまわった

それでも。。。娘は
今日、結婚届を出してきたのだ言う

娘の手には今
母子手帳が2冊ある

娘はもう。。。
母なのだ
頼りなくても世間知らずでも
紛れもなく母なのだ

あとは、生まれてくる子供たちが
娘をちゃんとした母に育ててくれるのだろう

私が娘に
育てられてきたように

お祝いを言わなくちゃいけない
おめでとうって言わなくちゃいけない
そう思っているけど

私の子育ては
中途半端のまま
終わってしまった気がして

まだ、現実が受け入れられなくて
ため息ばかりついてしまう

夢は、看護師さんだった

でも、おかあさんになる
しかも、いきなり二人の子持ち

だんなさんは契約社員で
時給で働く22歳

何百万もの借金をかかえて
妻と子供二人を食べさせ
生きていく道を選んだ
勇敢な若者だ

本当に大丈夫なのか。。。

不安ばかり。。。不安ばかり

私はやっと、再就職が決まって
今は、国立病院の受付の仕事をしている
こちらも時給で、大して儲からないけれど
私はもう、歳だから
働ける場所があるだけで有難いと思わなくちゃ

何にしても
2015年は、私にとっては
分岐点なんだろうね

心に力が入らない

だって、ほんの二ヶ月前までは
私の前には、まったく別の未来があって
そこで私はのほほんと
暮らしているんだと思ってたんだ

何が起こるかわからない
人生は。。。
どんでんがえしの連続だ

もう、私には変えられない未来を
今はただ。。。
受け入れていくしかない

娘は、母の顔をして
2冊の母子手帳を見ながら
微笑んでいた

母は強し。。。ということか
それとも。。。
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コメント 4

リンさん

そんなことがあったんですか。
同じ20歳の娘を持つ母として、りこさんの気持ち痛いほどわかります。
心配ですよね。
だけど娘さんも覚悟を持って決めたこと。
産まなかったら、ずっとずっと後悔して生きるかもしれないもんね。

娘さんには、素敵な両親が揃っています。
出来る限り手助けしてあげてくださいね。

by リンさん (2015-07-14 17:57) 

春待ち りこ

>リンさん
コメント、ありがとうございます。
そうなんですよ。もう、悪夢のようなどんでん返し。。。
でも、時間を戻すなんてことはできないので
受け入れるしかないですよね。
頭ではわかっているのですけれど
やっぱり、まだ。。。ためいきばかり
生まれてくる命に、罪はないので
出来る限り、フォローしてあげたいと思います。
ただ、まだ。。。いろいろ混乱中です。
しっかりしないといけませんね。頑張ります。
by 春待ち りこ (2015-07-14 23:16) 

はる

りこさん、辛かったね。苦しかったね。
心の痛みは、身体の痛みよりも重症になるよね。
でも、りこさんは凄い!こうしてブログに気持ちを書くと言うことは、
半分以上自分で乗り越えつつあると言うことだよ。
心を決めたんだね。りこさんは偉いよ。強いよ。凄いよ。
もう十分頑張ったよ!ものすごくしっかりしているよ!
そんなりこさんを、自分で誇りに思ってほしい。自分に優しくしてほしいです。
by はる (2015-07-17 22:34) 

春待ち りこ

>はるさん
コメント、ありがとうございます。
やっと。。。何とか。。。
今起きている問題とちょっとずつですが
向き合おうと努力をしています。
こんな形で、娘を嫁がせることになるとは
夢にも思いませんでした。
でも、視点を変えれば
世の中には、子供が欲しくても
叶わない人がたくさんいて
そんな人からしてみれば
お金の苦労なんて、問題にならないのかもしれないし
娘が看護師という親はたくさんいるけれど
双子の孫のいるおばあちゃんには
なかなかなれないものかもしれない。。。
……。
あぁ、やっぱり駄目です。
どんなに言いつくろっても
元気が出ません。
それでも、新しく生まれてくる命を
大人は、何としても守らなきゃならない。
一つ一つ、受け入れて
覚悟しながら。。。前に進みます。
はるさんの優しいコメントに救われた想いです。
感謝です。ありがとっ♪
頑張らなくちゃいけないですね。
今は無事に、子供たちが産まれてくることだけを
心から祈っています。
by 春待ち りこ (2015-07-17 23:20) 

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